八重宮司様。少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか。うん?なんじゃ九条裟羅よ。また妾に影のことをしつこく聞くつもりか?
いえ、本日は違います。八重宮司様は料理…中でも甘味の類いが得意と聞きます。うむ、そうじゃな。妾が先代より教わったことは少ない。何せ妾がまだ小狐の頃に押し付けられたからのう
覚えたのはあの女の手料理の味くらいなものじゃ
それで?汝は妾に何が聞きたいのじゃ?
ま・さ・か♪ あの勇猛果敢な幕府軍の大将が妾に菓子作りを聞くつもりではなかろうな♪
はい。その通りです。……。ふむ…。そうか・・・これには驚かされた。少々…いや、随分と意外なことじゃ。
しかしそれで言えば汝も料理は得意と陰ながら有名じゃぞ?
いえ…。私は他国の文化への知見が低い…。洋菓子の類いともなれば殊更に疎い。
外交となれば社奉行が、そして交易となれば勘定奉行が仕切ります。中々異国の文化に馴染む機会がないのです。
…しかし。…!お主・・・まさか "バレンタイン" か?
流石は八重宮司様です。最近、外国の者が多い離島を中心に、この時期には異性へ愛の告白や日頃の感謝を込めて、チョコ菓子を贈る文化が流行っている。ほうほう♪ ほうほうほう…♪(ニマニマ)
そこで私も・・・
八重宮司様…?聞いておられるので?うむうむ、聞いておるぞ♪ つまりはそこでひとつ、菓子作りが得意な妾に教えを請いたい・・・というわけか
確かに、かの文化はフォンテーヌやモンドを中心に発祥し、今では商機を見出した璃月が盛んに執り行っておるのう〜
八重宮司様は鎖国以前には璃月との貿易や外交の取り引きを行っていました。チョコ菓子についても存じているものとお見受けします。ふふふ、そうかそうか。もちろん知っておるぞ(これは愉快なことになりそうじゃ♪)
九条裟羅よ。汝料理、特に玉子焼きの腕前は妾にも劣らぬ。その器用さではチョコレートの成形など造作もあるまい。
(ふふ、こやつの影への忠誠心は揶揄い甲斐がある♪ チョコ菓子の作り方は伝授してやるゆえ、少しばかり楽しませて貰っても文句は言えまい♪)
それではご教授承ります…(ぺこり)→