九条さんの方から私を呼び出すなんて珍しいな?
公務で人手が足りなくなったのとか?
いや違う。今は治安も落ち着いており公務に割く人員にも不足は無い。
何より、天領奉行は部外者の手を借りることは原則として認めていない。
今日のところは相談に乗って貰いたい。九条さんが私に相談?あー・・・もしかしてまたウチの親分がやらかしたか…?いいや、それも違うな。相談したいのは旅人のことだ。旅人…ってあの旅人か?
へぇ、それは珍しいな。幕府軍ともとっくの昔に和解してるし旅人が九条さんとの間でトラブルなんて…。
まあ私なら他国の法律も学んでるし国際的なことも手伝えると思うよ。ん?何か誤解をしているようだがこれは揉め事の類いではない。
…ここだけの話に留めておいて貰いたいが、実を言うと旅人とデートをすることになった。
食事処は決めたが他にどんな計画を立てれば良いのか、そもそもデートとは何をするべきなのか見当が付かなくてな。
そこで私に知見を貸して欲しいのだが頼めるか?へぇ、デートね。
・・・・・・は?旅人と九条さんが・・・デート?!
(確かに、旅人って異国を渡り歩いてるって聞く割にはやたらとよく見かけるし、その度に天守閣や天領奉行府にも出入りしてたけど…。
てっきり冒険者協会を通して公務に助力でもしてるのかと思ったけど、この二人ってそう言う間柄だったのか…。
うーん、まあお似合いと言えばお似合いでもあるか…)無論、計画を立てて貰いたい訳ではない。それでは忍が考えたデートを旅人に贈ることになる。
具体的な案は私が考えたいのだがその為にはデートとはなんなのか、何をすれば良いのかを知らねばならない。(相変わらず律儀というか義理堅いというか…)
分かった。デートって言うのは〜・・・・→
裟羅をデートに誘う5