旅人…。

…ん?ああ、いや…急にお前の名前を呼びたくなった。だから呼んだ。


私がお前の名前を声に出し、そしてお前がそれに振り向く……たった、たったそれだけだが・・・それがどうしようもなく嬉しいんだ。


これについては私なりに推察した。

…きっと、そういう他愛のない呼び掛けが出来ることも特別な関係性の一つなんだと思うが、どうだろうか…?


だからたとえ名前を呼ぶだけであっても、それで私がお前とそういう関係なんだと再認識できる。それが嬉しいんじゃないかと考えているがどうだ?


・・・・旅人。

…ああ。やはりいいな…心地いい。

……旅人…。ふふ…





…待て。折角名前を呼び、お前がそれに答えてくれたのだからこのまま呼んだだけ。…というのは些か失礼だったな?このまま質疑応答をしよう。

私が質問をするからお前がそれに答え・・・ん?それは真面目すぎる…?そ、そうか…


お前との会話には慣れてきたつもりだったが、まだ色々な対話方法があるんだな…。

これもそうだ。今の二人の会話は普段とは違ってまた特別だ。だから勝手が違う…

この会話にも改めて慣れる必要があるだろう…。だから旅人。

また、この会話をしよう。

お前と愛し合って・・・それから、お互いに愛を語り合うこの会話をまたしたい。
裟羅とピロートークする