名前: 九条 くじょう 裟羅 さら


所属国:稲妻


〜説明〜
将軍直下の三奉行の一つ。天領奉行の大将。

勇猛果敢にして頭脳明晰でありその実力は誰もが認めるほど。厳格な性格で、常に部下たちの手本となるよう振る舞い、決して不義は許さない実直な人物。

一見すると冷酷に見え、近寄り難い印象を受けるがその胸の内には確かに熱い想いを秘めている。



〜人物〜
天領奉行においてもっとも剛直で将軍に忠実な人物と言えば皆、迷わず九条裟羅の名を挙げるほど。

初めて旅人と出会った時も、本来なら旅人を捕らえるべき立場だったが、直前に自分の部下が不義理を働いたため、まずはそのことを侘び、謝罪の証しとして旅人たちを見逃した。


苦手な食べ物は甘味だが、食べれないのではなく、食べないように心掛けている。甘味は食べれば身も心も落ち着くが、自分にも厳しく振る舞う裟羅にとってはそれが仇となってしまうのだろう。


また料理も上手で彼女が作る卵焼きは甘くてとろふわな食感の見事な卵焼きを作る。それは自身の好みの味ではないが、誰かの為に作るのであればそれを想って作れるだけの真心を彼女は持ち合わせている。



〜経歴〜
九条裟羅がまだ名も無い幼い天狗であった頃。山の魔物に襲われて崖から落ちたことがある。こんなはずではなかったと悔しさを感じながらももう助からないだろう。そう思ったその時だった。彼女に神の眼差しが向いたのは。


目を開けると怪我をしたはずの翼も無事だった。少し怯えた顔をし取り乱していたが彼女はすぐに人間に保護された。

そして九条家の当時当主だった九条孝行はその少女の手に神の目があることに気がつくと、こいつは使えると考え彼女を養子に取った。


それから、裟羅は天領奉行に入った。初めは彼女を男と勘違いする兵士も多くすぐに親しく打ち解けたが皆、九条孝行により処罰された。そして裟羅は呼び出されこう言われた。そんなことの為にお前を養子にしたんじゃない。と…。

その日から裟羅は誰かと親しくなるのことを諦めてひたすら将領となるべく武芸に没頭した。



そして彼女が天領奉行の大将となってからのある日。天領奉行内にて殺人が起こった。

犯人はすぐに見つかったが、あまりにもあっさりとした逮捕だった。まるで初めから用意されていたかのように罪状が裟羅のところまで渡ってきた。

それを手にした裟羅は即座に事態を理解した。そしてこの罪状に署名する意味も。

この事件は当時九条家に匹敵する力を持っていた鷹司家を陥れる為の九条孝行の計略だった。毒殺し犯人を適当な人間に擦り付ける。

その時の彼女が感じる重圧はいかほどか察することは難しいだろう。だが、それでも裟羅には信念があった。彼女は確かに署名した。刑罰は死罪が妥当だと誰もが考えた。

しかし裟羅がその罪状に記した刑罰は意外にも違うものだった。


──勾留とする。


この猶予があったからこそ、後に珊瑚たちが真犯人逮捕へと繋がることになった。これこそが当時の彼女に出来る信念の通し方だった。

しかしこの事実を知る者は少ない。

九条家の策略であることは誰もが噂話しに持ち上げた。そしてその署名をした九条裟羅も所詮は飼い犬だと嘲笑ったが、それを彼女が気にすることはない。きっと面と向かって言われても鼻で笑って返すことだろう。




また、話は変わり、彼女は時折山に行く習慣がある。これは天狗の習慣が残っているわけではない。

ただの散歩のつもりだ。そこにはかつて人を化かし食料を奪うことで食い繋いでいた弱い妖怪たちが住んでいた。

しかし、今はもう人を襲うことはない。ここにはかつて九条裟羅が天領奉行として妖怪たちを退治しに来た山だ。

それからというもの、この山で人が妖怪に襲われることは無くなった。妖怪は討たれたのだろうか?



・・・・裟羅は散歩を終えると、家から持ってきていた多くの食糧を木の根元に置くと静かに山を降りて行った。



〜旅人との出来事〜
ペットを飼ってみたいと考えているが、自分が忙しい日々を送っている為しっかりと成長を見届けてやれないかもしれない。と諦めていた。

しかし旅人との出会いを通じ、旅人と二人でなら飼えるのではないかと考え相談してきた。
名前も二人で一緒に考えよう。と楽しみにしている。


また、人との会話が苦手な為、今は旅人から積極的に話しかけてほしいと頼んでおり、こうして旅人と肩を並べて話せている自身の運命は恵まれていると発言している。




「普段であれば、必ずやこの手で「御建鳴神主尊大御所様像」を"お迎え"していたが……」
九条裟羅について