コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・カツン・・・・・・







冷たい暗闇の中をコツコツと冷酷な足跡が響く。










・・・・・・。


(旅人との邂逅から数ヶ月……あの夜の出来事以来……旅人のことが頭の片隅から離れてくれない…)



それも・・・全て…(さす…っ)




──トクンっ

……っ(……着々と…確実に育っている…。私の体の中で・・・奴の……っ)


……(私の身が……敵である旅人に・・・勝手に使われた事実。

…奴の遺伝子に入り込まれた感触が今も脳裏に残っている……あろうことか…種の生存本能を全うする為の器……番いとしてこの私が選ばれた・・・)


何より忌避すべきは・・・あの時の私自身の愚行…

(最後の最後…私は助けを懇願した・・・命の軽さを知った気でいたがそれは奪い、奪われる時のことでしかなかった…)


まさか・・・与えられることがあれほどの絶望だったとは…(コツ・・・コツ・・・)


(後悔と自責の念に駆られながらでも流石は執行官と言ったところか、不意に感じた人の気配に機敏に反応しアルレッキーノは足を止める。)


・・・・・?

そこにいるのは誰だ…?任務の報告なら定期報告で済ませと言ってあるはずだ。

ここは執行官専用の…っ!



(言いながら…気配の正体を目視したアルレッキーノが固まる。自身の目を疑った。)


アルレッキーノ、久しぶり
アルレッキーノに会いに行く