ス「これかぁ?左手は義手だぜぇ。

怪我じゃねぇぞ、オレがそんなドジやらかす訳ねぇだろ。自分でやったんだぁ。

正直慣らすのに時間はかかったが、慣れちまえばこの方が便利なもんだぜぇ。
動かすのに不自由はねぇし、こうしてお前に触れることも出来るしなぁ。」


(手袋に包まれた血の通っていない左手が、あなたの片手に重なった)
(ひんやりとした感触が伝わる)
(そう言えば触れられることはよくあるが、義手に触れるのは初めてだ)


ス「あ゙ぁ?何でってそりゃ…冷たい手で触られんのは嫌だろぉ?
それにお前の体温が感じられねぇ。オレはこっちの方がいい」


(あたたかい右手がするりとあなたの頬に滑り、親指が唇をなぞった)


ス「やわらけぇ…

なにビビってんだ、この程度のスキンシップなんかお前いつもベルとやってんだろうが。

何ならキスもしてやろうかぁ…?」

(耳元で、彼にしては珍しく静かな声で囁かれた)
(低い良い声に、腰が砕けそうになる)


ス「っはは、冗談だぁ!そんなビビんなよぉ。
いつもからかわれてる仕返しだぁ。オレがどんな思いでいるか分かったかぁ?」


(からかわれた…)
義手