ス「こんな月が綺麗な夜は、オレと一緒に外へ出てみねぇか?
ニャン生はたった1回なんだから、自由に生きる選択だってある筈だぁ。
どうだ?人間に飼われるのなんかやめて、野良生活もいいもんだぜぇ。
お前を縛る首輪なら、今オレが噛みちぎってやるからなぁ。」
(これは気ままな野良猫さん…あなたは銀色だから暗闇でもよく見えるわ。
随分魅力的なお誘いだけど、私はここから出られないの。
私を飼っている男の人が許さないわ)
(ガラッ)
ザ「メイド何してやがる?
カスネコが…てめぇオスか?誰の飼い猫に手ぇ出そうとしてやがんだ。カッ消されたくなけりゃとっとと失せろ!」
ス「ゔぉッ!?
何だぁ、お前に着けられてんのは鉄の鎖だったのかぁ!?
けど大人しく諦めてなんかやらねぇ、明日も来るからカーテン開けて待ってろよなぁ!飼い主に見つからねぇように!」
(あなたの過保護な飼い主が投げたロックグラスをひらりと避けて、銀色の猫は去っていった)
(明日も来るらしい…)
ザ「どこのカスネコだ、他人のもんに手ぇ出そうとしやがって。
おい、明日は外へ出るなよ。てめぇが産む子猫はオレの子だって決まってんだからな。」
(目が合う人が震え上がるような風貌の飼い主は、その姿からは想像も出来ないほど優しくあなたを抱き上げて、耳の後ろや喉を擽ってきた)
(ああ、いい気持ち…)