ス「よし…足元気をつけろよぉ。」

(一瞬で桜の枝に着地すると、そっと下ろされた)
(そんな優しさがあるならもう少し紳士的に運んで欲しかった…と少し恨みを込めてスクアーロを見やる)


ス「どうだぁ、いつもと違う視点は?」


(彼に促され辺りを見渡すと…)

(夜空の下、視界いっぱいに桜色の海が広がっていた)
(月とライトの光で、昼間とは全く違う表情を見せてくれる)
(時折吹く風に花弁が舞い上がり、月の光に透けて夢の中にいるような景色に変わっていく)


ス「ふは、埋もれちまうぞぉ」


(思わず見とれていると、スクアーロがあなたの頭をぽふぽふと払ってくれた)
(花弁が積もっていたらしい)


ス「…お前はそうやって笑ってる姿がいちばん綺麗だなぁ…。

………………………降りるか。
次は酒でも持って来ようぜぇ。」


(ぽつりと呟いた彼の心からの本音は、あなたに届くことはなく夜桜に吹かれて消えた)
お花見2