(陽射しを遮る木陰で、仁王くんが一人寝息を立てている……)
(珍しいこともあるものだ、そう思いながら近付いた途端に瞼が上がってしまった)
……ん、お前か。
人が来たら起きとるだけじゃき、別にお前やから起きた訳じゃなか。
起こしたくないんならそもそも近付かなきゃえいろう。
にしても、今日はえい天気やのう……
……何をぼさっとしとるんじゃ。
ほれ、はよこっち来んしゃい。
(急に半身を起こし袖を引かれたかと思うと、むりくり傍らに座らせられる)
別になんでもないんじゃから、膝枕の一つ二つで騒ぎなさんな。
……俺は寝るけぇ、今度こそ静かに。な?
(私の腿に頭を預けた仁王くんはくすりと笑い、また瞼を下ろしてしまった)
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