豹那「っ...!!」

レナ「...」


((私の言葉に、豹那さんは目を見開いて、レナさんは口を閉ざした。
二人の鋭利な視線に貫かれつつも、じっと見つめ返す。


先に動いたのは、豹那さんだった。


強い力で腕を引かれて、着古された黒いコートのなかに閉じ込められる。

嗚呼、違う。
抱き締められてるんだ。
仄かな鉄の香りと、甘い匂い。
優しい甘さの、香り))



豹那「___二度と、帰せないぞ。
お前を、人間社会に。


いいんだな?」


((強い貴女の声が、体が、震えているのを、確かに感じた))


いいよ、私の全部をあげる。...だから私を、みんなの、豹那さんの傍に連れていって?(頬を撫でる)




...家族?違うよ、あの人たちは引き取り手。そりゃ心配するよね、近所中に変な噂がたつもの。...みんなが人殺しだから何?私は『私』を殺してまであの人たちといるくらいなら、みんなと一緒がいい。