((扉どころか周りの壁も一緒に壊されて、土ぼこりが舞い上がった。
咳をしながら扉の辺りを見れば、ポケットに手を突っ込んで佇む豹那さんらしきシルエットが認識できた。

突然、体がふわりと持ち上げられた。
視線をあげれば竜也君のドアップがあって、私は彼に夢のようなお姫様だっこをされていると気付いた))



竜也「ったくドジっ子が。
姉ちゃん今おこだからちょっと離れとかないと」



((話してる途中なのに、いきなり竜也くんが立ち止まって言葉を止めた。
何かと思っていると、たらりと彼の首筋から血が流れた。

よく見れば、彼の首に細い糸のようなものが絡み付いていた。
能力...))



「兄ちゃん逃げんなよ。
動けば胴体と首が離れちまう。

お前も動くな!!」


((お前、はきっと豹那さん。
なんて卑怯なの。
こんなにしてまで...))





豹那さん...!




ドゴォッーンッ!!!