(月子を拐った男は、とても厄介な能力者だった。
詳しくはわからない。
だが、一つ言えることがある。

奴は私と似ているかもしれない)


豹那「...月子...」


(あの子を見つけたと同時に、男はニヤリと笑った。
不吉な予感がして竜也と共に木陰に隠れた、数秒あとだ。


突然、目の奥で火花が散った。
あまりの衝撃に、思わずぎゃ、という声をあげてしまう。

それからは、息つく暇もなかった。

視界がどんどん狭まった。
闇はすぐに私の視界を占めて。

私は、何も見えなくなった)


豹那「くそったれ...」


(多分だが、一度顔を見たものなら離れていても視界を奪えるのだろう。
この様子では竜也も機能していない。

厄介極まりない。


普通なら)


豹那「ックク...。


遅かったなァ?


その腕もらうぞ




ズシャッ