豹那「いつ?誰に?特徴とか覚えてる?名前とかわかるならそれでも良いわ」


((豹那お姉ちゃんが焦ったように立ち上がって私の肩を掴んできた))


豹那「気付かなくて本当にごめんなさい...。
でも、もう大丈夫よ。
私たちが守るから。

だから、キツいと思うけど誰にやられたか教えて?
もし可能なら、何をされたかも」


((お姉ちゃんが抱きしめながら、震える声で言ってくる。
それが、本当に嬉しくて。
ボロボロ涙を流しながら、事細かにすべてを話した。
お姉ちゃんは相づちを打ちながら頭や背中を撫でていてくれた))



豹那「...そうだったの...。
苦しかったわね...。
貴女のその涙は、それだけ我慢し続けた印よ。
ずっと、誰にも言えず。

我慢強い子ね。

大丈夫、私達は貴女の味方なんだから」


((顔をあげれば、少し泣きそうなお姉ちゃんが微笑んでいた。
胸の中のわだかまりが、溶けていく))



豹那「...姉さんと、家で待っていてちょうだい?
そいつら、校内で有名な不良グループだった。
居場所はだいたい掴めてるから、話しつけて来るわ。

ね?」


((いつの間にか来ていた狐來お姉ちゃんの手が肩に乗った。
豹那お姉ちゃんが私を強く抱き締めてから離れる。

リビングの壁にかけてあるお姉ちゃん専用と豹羅お兄ちゃん専用のバイクのキーとヘルメットを取って、走り出した))



狐來「よく話したね。
辛かったね。
嫌なら、学校は休んでも良いからね。
ウチには教師もいるし」



((狐來お姉ちゃんにソファーに座らされてミルクティーを渡された。
一口飲めば、暖かいものが身体中を温めてくれる。

家族の愛のように、暖かい))



竜也「姉ちゃぁああ ふぎゃっ!!」


((あ、竜也が狐來お姉ちゃんに蹴られて壁に埋まった))


狐來「騒がないでちょうだい」


((その様子に、思わず笑ってしまった))




お姉ちゃん、ありがとう




ガタッ