豹那「...!!!」
(ピタリと、月子を撫でていた手が止まった。
自然と。
否、止めざるを得なかった。
この子は私とは違う。少し変わった十七歳の少女。
一般人だ。
親に見守られながら育ち、多分、いい子だから友達にも恵まれている。
なのに。
こんな血生臭い学園に居るなんて、そもそも可笑しいんだ。
早々に帰すべきだった。
いきなり幼児化して、両親にも会えなくて。
不安じゃない方が不自然だ。
だから夢を見て泣くんだ。
それに何故気付けなかった?
私の親がああだったから気持ちがわからなかったのか?
違うわ。
欺瞞や詭弁を並べてこの子を繋ぎ止めたのは私だ。
この子を、帰さなくちゃ)
豹那「...大丈夫よ月子。
起きたとき、貴女の目の前には大好きなご両親がいるわ」
(月子の目尻に口付けて、小さな少女を抱き上げた。
帰りなさい月子。
貴女のあるべきところへ)
@ひょーなさん、みんな、行かないで...。私を置いていかないでよ...!