((_____....。

生暖かい何かに頬を舐められている気がして、目を開けた。

なんだろ...すごい長い夢を見たような気がする...。

ここ...千本桜?
私、何してたんだっけ...?))



豹那『...起きたか』


((あ...豹那さん...の、獣。
私、ここで寝てたんだ。

...そういえば...。

豹那さん。
レナさんのお兄さんのことってご存じですか?))



豹那『何だ、藪から某に。
まぁいいか...。
もう隠すこともない。


番犬の娘が反政府軍隊を離脱しスラム街から逃げる際に致命的な攻撃を受けて、その場で絶命したそうだ。
お兄さんの遺体を連中は求めていたそうでな、特定されないためにと番犬の娘は...。

自分の兄の顔を、元の造形がわからなくなるくらい潰したそうだ。
指紋の特定を避けて、指も焼いてきたらしい。
耳の形での特定もされかねないんで、切り刻んだそうだ。


...兄の遺体を荒らすのは苦しかっただろうが、ゲス連中に荒らされるよりましだもんな。

その後、スラム街の入り口で反政府軍隊の総統と対峙してやりあったらしい。
その時、完全に右目を失った。

番犬の娘、その場にあった鞭で総統の顔の右半分ぶっ叩いてきたとよ。
相手も無事じゃない。

その後、今の屋敷にたどりついたようだ』


((...そう、だったんだ...。

...レナさん...))



:お呼びですか?




:貴女なら、きっと乗り越えるよ、レナさん