「あまりの憤りに、思わず音をたててしまいました。
お陰で、サリットの部下達が目を皿にして私達を捜し回っています!

捕まれば拷問、そして解体です!
私達と関わりのある貴女もたたでは済まない!」


「ッ...!!
すまない...!
僕達のせいで...!!」



((悪いのはレラさん達じゃないです!
今は逃げなくちゃ...!!

っあ..!?))



「...!?
回り込まれたか!!
道はダメです!
車椅子は棄てましょう!

兄様、私の背中に!

月子さん、こっちへ!!!」



((レラさんをおんぶしたレナさんが、右手で私の手首をつかむ。
車椅子を蹴り倒して、とても狭い路地を走り出した。
あの軍隊にいるようなガタいの良い男達じゃ通れない狭さ。

こんな状況で、ここまで頭が回るなんて...!!

レナさんが居れば逃げられるかも...!!


戦場というものに不馴れな私は、そんな風に考えちゃった。
そう、間違いなんだ。

此処での、油断は))



ッシュ_____ザクッ


「ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛!!!」


((レラさん!!?))


「っに、さま...!!?」


((レラさんの首に突き刺さったもの。
それは、映画の中でしか見たことのない。

___ボウガンの、矢、だ...!


嘯いて暴れるレラさんに気をとられ、レナさんもバランスを崩した。
足がもつれ、ゴミ箱に激突し二人一緒に転がる。

やっと止まった頃、レナさんは腹部を押さえて咳き込んだ


レナさん!!))



「っぐ、ふ...!
(二人分の体重のまま転けて腹部に圧力がかかったか...!
肋骨の二本は折れてる...!

違う、今は...!!)」



:に、い様!!




:私も未熟です