(俺が駆け付けたとき、立っていたのは姉ちゃんだった。
顔に血を浴びて、何かを見下ろしていた。


姉ちゃんの足元では、小太りの男が踞って目を押さえていた。
ぅう、とか、ぁああ、とかうめいている。
目元から溢れた血が階段の踊り場を汚していた。


ゆらゆらと、先っぽを真っ赤に濡らした姉ちゃんの尻尾が揺れていた)



豹那「二度と近づくな、クズめ」


(姉ちゃんの尻尾によって、月子を邪な視線を送っていた男の目は一生使えなくなった)




黒い獣がいた