「...」
((頭を下げる豹那さんを見つめてから、女性は私を見た。
豹那さんに並んで目付きは悪いが、美しい人だ。
白い肌に、白い手袋は馴染んでいる。
形の良い唇を開き、言葉を紡いだ))
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
((その問いかけは、豹那さんの願いを聞き入れた証拠だった。
名乗って、深くお辞儀をした))
「お顔を上げてください、月子様。
本日より貴女の護衛とお世話をさせていただきます、エスレィティナ・アンディアスです。
お気軽に、レナ、とお呼びください」
((それが、レナさんに出会った瞬間であり。
私と豹那さんが分かれた瞬間だった))
【End】
頭を下げた