暴君と女王蜂は、いつも私達を虐待していた。
考えてみれば、破壊獣の力を知らない私を押さえ込む一種の手立てでもあり、彼らが知る愛だった。
しかし、彼らは追われる身になった。
調度その頃、虎幸お兄ちゃんが起こしたある事柄も重なった。
そこで、彼らは私達の募りに募った激しい怒りと、絶望と、血を混ぜ合わせてあの学園を造った。
あれは、建てられたものではない。
私は、心臓と学園をリンクさせられ、生死を共にすることになった。
虎幸お兄ちゃん、竜也、狼華を地下の第二訓練場の鎖に繋いで、豹羅兄さんを含めた他の兄弟を遠くに飛ばした。
私は逃げることもできず、まだ二桁の年齢にもならないうちから学園の頂点に君臨して能力者を迎え入れていた。
お兄ちゃん達が地下に繋がれているのを知ったのは、十七になってからだった。
不思議な学園だ。
鎖は、繋いだものを殺さず、力を奪い続ける。
奪った力を学園に送り込み、迷える能力者を迎え入れていた。
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