狼華「うぅ...ぐすっ...」
竜也「いつまで泣いてんだ」
((起きてから、狼華ちゃんはずっと謝りながら泣いている。
私を捜すため能力の過剰使用の代償で目が見えなくなっていて、目隠しをつけている狼華ちゃんにこうまで謝れるのは胸が痛む。
竜也君は首に包帯を巻いているが痕にはならないようだった。
虎幸さんも代償で耳が聞こえなくなっているといっていた。
豹羅さんは今私の分の料理を作っているらしい。
一番暴れていた豹那さんが、一番重症だった。
身体中の切り傷に打撲や捻挫。
肋骨が二本と右足、右手の中指と薬指、左手の親指が折れていたらしい。
それであそこまで暴れられるのは、やっぱり獣の力と痛覚のなさだろう。
なのに何事もなく仕事しようとする豹那さんを豹羅さんが止めたらしい。
...大変だったろうなー。
私は外傷がなくて、一日安静にしたらそれでいいって言われた。
明日お礼に行こう))
竜也「あいつら、前に姉ちゃんに喧嘩売ってこっぴどく負けたんだって。
全員能力者だけど、学園の世話になるのが癪であっちこっちさ迷ってた。
そこで、アンタを知って姉ちゃんに報復するために今回のことを起こしたらしいぜ。
姉ちゃんが痛覚ない+破壊獣なんて誤算中の誤算だろうな」
狼華「元々、豹姉格闘技強いし。
近接格闘術の達人だし。
あんなに体格差のある豹兄に勝つくらいだよ」
((なにそれあの人強い。
私そんな人に助けられたんだ))
狼華「まぁね。
ひとまず無事でよかったよ」
竜也「一旦姉ちゃんの様子見てくるわ。
後で兄ちゃん来るからゆっくりしてろよ」
((うん!ありがとうね!!!
退出していった二人と入れ違いで、右の頬に赤いもみじのついた豹羅さんがスープ片手に入ってきた。
豹那さん止めるときひっぱたかれたんだって。
明日私がいって止めなくては。
次の日の、観念したのか豹那さんは大人しく...しているふりでパソコン叩いてた。
折れてる指でパソコンやめぃ。
助けてくれて、ありがとう豹那さん))
起きたら泣きそうな狼さんがいた