豹那「...」


(男の一人が能力で出した糸を竜也の首に巻き付けている。
残りの三人は、したり顔でいた。

あの子は気付いていないが、あの子の首にも糸が絡み付いている。
つまり、竜也が動けば二人の首と胴体が離れてしまう。

...ムカつく)


「優しい姉ちゃんだ、なっ!」


(腹に三人のうち一人の拳が叩きつけられた。
痛みはないが、息が詰まった。
立て続けに今度は足が叩きつけられて、本格的に呼吸が一瞬止まった。

体を倒されて、思わず咳をしていてもお構いなしに足が飛んでくる。

ボキッ、と自分の体の中から音がしたはずなのに
どこか遠くのもののように感じてしまった。
きっと、痛みがないから)


「マジで痛がらねぇのかよ。
多分肋骨やったんだぞ」

「じゃあこれは、どうよ」



(そう言って別の男が取り出したのは底光るナイフ。




身体中を傷つけられて、片足からもボキッという音が聞こえて。
自分の体の周りには血溜まりができていくのに、まるで映像でも見ているような気分だった)




便利な、からだ




豹那さん...!