豹那「ッグ...!?」


(体が熱くて、熱くて。
すべて壊したくなる。

忘れもしない破壊衝動。


私の中の破壊獣が、暴れだした)


鷹人「やっと効いたか。
バカに効く薬もあるが遅効性になるのかね?」



(目の前で笑う男が、歪んで見える。


破壊獣は服従させたはずだ。
そうそうのことがない限り私を乗っ取ろうとするはずはない。


鎮まれ...鎮まれ...!
鎮まれ!!!


その声なき叫びも虚しく、爪は紫を帯び鋭く尖り始める。
目が焼けるような感覚。

体が、変化していく。


こいつは、何をしたんだ?)


鷹人「何をしたかわかるかい?
君の中に眠る破壊獣を暴れさせる薬を投与した。

...剃刀で、ね」


豹那「...!!?」


(夕飯の、あの剃刀...!
そんな薬が塗られていたのか?

肯定する体に、納得せざるを得ない)


鷹人「さぁ、もう君は死ぬしかない。
じゃなきゃ君はその力をもって暴れ、大切なものを壊してしまう」



(つくづく思う。
汚い男だ。
そうまでして家元になりたがる理由がわからない。

だが、ひとつわかる。

こいつは、やっぱり。
暴君の息子にはなれない。
暴君は、私を殺そうとはしないから)


鷹人「死ね、闇之 豹那






豹那「消えろ、クソ養兄




動悸