豹那「...悲しいことだが、昼間に鷹人お兄さんと虎幸お兄ちゃんが小競り合ったのに意味はなかった。
きっと、二人とも市民だったんだ。
痛くもねぇ腹余計に探りあっただけさ。



だが、狼華はきっと凄く痛かっただろうさ。



二日目の夜、狼華を殺したのはアンタだ、狐來姉さん


((言い終わると同時に、狐來さんと豹那さん、互いの殺気が一気に増した。
二人の美しい顔には似つかわしくもない、深い憤怒がにじみ出ている。

程よいメイクの施された狐來さんの目と
メイクもなにもしていないのに整った豹那さんの目に殺気が宿り。
いつ、どちらが動いてもおかしくはない))



豹那「...夜、狼華の部屋をアンタは訪れた。




そして、あの子の可愛い顔を焼いたんだ。


狐來「...私の妹は、こんなにも饒舌だったかしらね?
耳障りで仕方ないわ」


豹那「生憎狼華みてぇに鈴のような可愛い声じゃねぇからな。
耳障りはご愛敬さ。

だが。
美女の皮を被った醜い狼にゃ、耳障りくれぇが丁度良いだろう?



人狼の役職を与えられた時点で、アンタの抗能力者抑制装置も効力を失ったはずだ。
アンタが持つ能力は、アンタのもうひとつの姿。


妖狐ともなれば、狐火のひとつ安易に扱えるな?


((...よう、こ...?))


豹那「姉さんの産まれもった能力よ。
妖狐になれるの。

諸説あるが、妖狐ってのは長生きした狐の事よ。
犬や猫と一緒で、狐だって長生きすりゃ妙な力を操るようになる。
それが所謂神通力だ。


狐になれて、神通力も使える。
だから、姉さんの能力は姉さんのもうひとつの姿。

すなわち妖狐だ。



狐火はけして強力なモンではないが、それでも炎に違いはない。



そんなもんで顔焼かれりゃ、そりゃ死ぬさな




残酷なオキツネサマ?




六日目・昼3