((私達に与えられた部屋は狭かった。
とてもじゃないけど、家元の子に対する扱いだとは思えない。

荷ほどきをして豹那さんの元に行けば、コートを脱いで鏡の前にいた。
頬の腫れを気にしているようで、袋にいれた氷を当てている。

私に気付いて、笑いかけてきた))



豹那「脅かせてごめんなさい。
お祖父様はああいう人だから。

それにしても良く動かなかったわね、偉いわ」


((いえ、竜也君が...))



コンコンッ


「豹那様、お食事の準備が整いました」


((私の言葉を遮って、ヨネさんの声が聞こえた。
豹那さんはいっそう嫌そうな顔をして生返事を返す))



豹那「...ここの料理は高級尽くしで舌に合わないわ、ねっちょりしてるし。

まぁ、行かなきゃどんな目に遭わされるかわからんが」


((渋々腰をあげる豹那さんに従い、私も身なりを整え着いていった。

他の兄弟を呼んで、またあの陰口の中に突っ込むと思うと気分が沈んだ))



食堂へ




一緒に自室