((洗面台で豹那さんは必死に何かを吐いていた。
生々しい鮮血で白い洗面台は汚れ、壁にまで飛翔している。

その中で、キラリと銀に輝く刃物))



豹羅「料理に剃刀仕込みやがったのか...!!」


((その汚いやり口に、豹羅さんが激昂した。
今すぐにでも飛びかかっていこうとする彼を、豹那さんが止めた))



豹那「余計なことして面倒増やすな!

っ...部屋に戻りましょう...」


((口元を拭い剃刀を片付けて、豹那さんは歩き出す。
私と豹羅さんもそれに続いた))


「あら豹那様、豹羅様、お客人、おかえりなさいまし。
顔色が優れませんが如何致して?」



((その扇子のしたの笑みが穢く見えてしまう。
なにか言おうと、口を開いた刹那だ。


今まで豹那さん達を嘲笑っていた婦人達の皿がひとりでにひっくり返って服を汚した。
婦人達は何が起こったのかわからず唖然としている。

これって...))



豹那「如何いたしまして、皆様。
お似合いですよ、そのドレスの柄。

貴女方のような人には、ぴったりじゃないですか」


((豹那さんの衝撃波だ。
皿とテーブルの間に小さな衝撃波を起こしてひっくり返したんだ。

この人は、やっぱり強い。
自室へと歩を進める豹那さんの後ろを歩きながらそう思った))



豹那「...煙草吸うわ。
一緒にバルコニーへおいで」


バルコニーへ




一緒に洗面台