「___月子____。

月子、起きてちょうだい。
ねぇ、良い子だから。

月子___。
お願い、起きて___!!!」





((____豹那さん...?))


豹那「...嗚呼...良かった...起きてくれた...」


((目を開けたとき、豹那さんは私の頬を両手で包み込んで顔を覗きこんでいた。
普段は仏頂面の彼女なのに、今日はとても心配そうだ。
眉を寄せて、今にも泣き出しそう))



豹那「痛いところはない?
苦しかったり、気持ち悪かったりしない?
本当に大丈夫?」


((いつもの割り増しで過保護な豹那さんに相づちをうって、手をかりながら起き上がる。


お屋敷、の、ダイニング?
中央に大きなテーブルがあって、その奥が2階に続く螺旋階段。
私はその階段のそこに倒れていたみたい。
階段の正面、真向かいには、とても大きなモニターがある。
家庭用のテレビの何倍もありそうだ。

テーブルには、見知った顔が座っていた。

豹那さん達のお兄さん、鷹人さん。
狼華ちゃんと喧嘩別れしたっていう、長女、狐來さん。
鷹人さんを睨み付ける虎幸さん。
同じく鷹人さんの様子をうかがっている豹羅さん。
二個席を飛ばして、体をこっちに向けながら狼華ちゃんを慰める竜也くん。
竜也くんにしがみつく狼華ちゃん。
居心地が悪そうに縮こまっている俊太くん。
こちらの様子を心配そうに伺う九条さん。


私たち、何してたんだっけ))



豹那「とにかくおいで。
椅子に座りましょう」


((豹那さんに腕を引かれて、テーブルへと連れてこられた。

円形の、大きなダイニングテーブル。
人数分の椅子と、その前にタブレット型の端末がおいてある。
端末は固定されていて、そのソバにネームプレート。

席は決められているみたい。

豹羅さんの隣に豹那さんで、その隣が私だ。
一番信頼できる人が隣なのには安堵する。
席についても、豹那さんと手を繋いだまま離せない。

離したくない))



竜也「月子!
良かった...怪我とかはないんだな?」


豹那「大丈夫よ、竜也。
ちゃんと歩けていたわ」


((心配してくれる竜也くん。

その首には、見覚えのないシルバーのアクセサリー。
いや、アクセサリーというには重厚。


首輪だ。


中央に赤い宝石のようなものが埋め込まれた、シルバーの首輪をつけさせられている。
周りを見れば、私と俊太君を除き全員がそれをつけているようだ。

俊太君のは中央に埋め込まれているのが赤じゃなく青い宝石。
首輪もシルバーではなく悪目立ちするワインレッドで、なおのこと首輪らしさが引き立っている。


それ、なに?
と、聞こうとしたその時だ。


急に件の巨大なモニターに砂嵐が映った。
時間にすればそれは数秒で、画面がそのままにスピーカーから声が聞こえてきた))



『皆様、お目覚めですね。
お加減よろしいようで何より。



では、はじめましょう』





人狼ゲームを




一日目・昼