(男は、私に顔を見せた。
敗因はそれ一つで十分だ。


男の肩の辺りを衝撃波で潰せば、ベシャッと腕が落ちたであろう音が聞こえた。

月子を持っていたのは反対側の手だから、まだあいつには被害がないはずだ。
男の汚い悲鳴が蔓延る。
その中で、私は音を頼りに男に歩み寄った)


豹那「にィちゃん、一度しか言わんから良く聞け。

今すぐその子供を離し目を戻せ。

次は右足だぞ」


(少し待ってみるが、男から返答はない。
まさか、あれで死ぬわけもない。
荒い息が聞こえている。

自分の状況のわからないクズには、痛みが良く効く)


ベチャァァァッ


ィギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!


(宣告通り、右足を潰してやれば、まだまだ元気な悲鳴。
やっぱり生きてるじゃない)


豹那「次はどうする?」


(最後には、恐怖に勝てなかったか。

男がなにかを呟くと、視界はクリアになった。


右手と右足の先がない男は、私の前で恐怖におののいていた。
顔中の穴という穴から液を垂れ流して。
みすぼらしい)


豹那「...怪我はないな」


(尻尾で月子を抱えて、問うた。
私は慣れているが、子供にまで恐ろしいものを見せてしまった。

...失敗したかもしれないな...)


@...豹那、さん、だよね?(焦点が合ってない目で豹那さんの顔に触れる)




その腕もらうぞ