((どれだけ頑張っても、穴をお父様が通れるくらいひろげる事はできなかった。


もうすぐ三時になる。

そろそろお父様を迎えに来るはずだ。



そしたらお父様は...!!))



シビル「...月子...レラ...レナ...。
父さんの、近くに来てくれ...」



((何時もの優しい声とは違う。
絞り出すような声だ。

手を止めてお父様のお膝に座れば、優しい微笑みのあと額にキスが降ってきた。


...お父様...?))



シビル「...良いんだ...もう」


((どういう事かと聞き返される前に私達は膝から下ろされた))



カツッ...カツッ...カツッ...


キィィッ.....

「...元政府所属、シビル・アンディアス曹長。

時間だ」


((その時は、来てしまった____。


鎖に繋がれたお父様が、よろめいて立ち上がる。



ヤメテ、連れていかないで。



お父様にしがみついて止めたい。



でも、今離れたら穴がばれてしまう。


お父様...最初から......))





キィィッ.....バタンッ、ガチャッ



レナ「....ッセ.....!」

レラ「...れ、な...?」



レナ「カエセッ!!!!!




カエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセェェェェエエエエエエエ!!!!!!」



((怒り狂うレナの口を塞ぎなんとか押さえつけた。


レナは、もう限界だ。

今穴からぬけて走れば或いはお父様を助けられる。
これ以上レナの心にヒビを入れる訳にはいかない。



体をよじりながら穴をぬけて、久方ぶりの外の空気を胸一杯に吸い込んだ。
靴なんてないから裸足だけど、だからこそ伝わってくる土のひんやりとした感覚が余計に懐かしい。

近くの茂みに隠しておいた、布を繋ぎ合わせ作ったローブを羽織って、所化台の備え付けられている広場へと走った。




失いたくないから___))





●▼私達が何をしたの?




●▼時間なんて止まれば良いのに