((折角の満月は、残酷なことに分厚い雲に覆われてしまっていた。

月下にて、アンディアス邸をぐるりと囲む軍事ヘリに軍隊。

それは、お父様がお仕事中着ている軍服と同じデザインで___))



シビル「僕が政府を裏切っただと!?
そんなのデタラメだ!!」



((お父様...!!


銃を構えるお父様と軍隊のリーダーらしき人との睨み合いが続く。
私達はお父様の背後で、事の成り行きを見守った))



シビル「誰の命令だ!?
僕達は今日ロシアに帰国したんだ!
それまではずっと日本にいた!

裏切るのクソもないだろう!!?」



「御託は良い!
後程聞かせてもらうさ!

銃を下ろせ、シビル!!」


((お父様は頑なに銃を下ろさない。
数で言えば圧倒的な不利。
でも...。

きっと、彼らは知っている。

お父様の驚異的な強さを。






だから、非力な私達に的を絞った))



カーラ「ッ...!?
月子!!!」



((何かが風を切る音が耳に届いた後。
お母様が私をキツく抱き締めた。

刹那))




バシィッッッ


カーラ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!!!



レナ「___!!?」

レラ「ッひ....ィ...!!」


((振り下ろされた鞭が、無防備なお母様の背中に叩きつけられる。
お母様の激痛を訴える悲鳴に、私達は涙を浮かべた))



シビル「カーラッ!!!

貴様...!!
よくもッ...!!!」



「銃を下ろすんだルビー!
俺だってアンディアス婦人を傷付けたくはない!」



((痛みに震え、尚も私を離さないお母様。

お父様は唇を噛み締めて、構えていた銃をゆっくり下ろし蹴り渡した。


捕らえろ、という声で軍人達が動き私達に群がる。

無理矢理私とお母様を引き剥がして、私には手錠をはめられた。
お父様も手錠をはめられ、身体検査を受けている))



シビル「オイッ...!
子供達にまで手錠をつける必要はないだろう!
上の娘は体が弱いんだぞ!」


「騒ぐなルビー。
子とは言えお前の血を引いている以上油断はできない」


シビル「ッ...!!

お前に僕をルビーと呼ぶ資格...もうないぞ...プロディトル」



((二人が睨みあっていたときだった。


月下に、二度目のお母様の悲鳴が響き渡った))



●▼っか、さ...




●▼お父様はなにもしてないのに