美しかった...。
特に、琴を弾いているときの母は、まるで絵画のようで
とても、この世のものとは思えない神秘の域でした。

着物も、結い上げられた髪も、伏せられた睫毛も、すらりとして弦を弾く手も。
母は、まるで美の女神の恩恵を受けたようで...。
否、寧ろ美の女神すら泣かせるほどです。

母の鈴のような声で名を呼ばれるのが大好きでした。
レナ、というあだ名も付けてくださったのは母です。


私というものが存在できるのは
全て、母のお陰です。







▼お母さん