((探って、探って。
やっと、その情報を見つけた。))







【闇へと誘い屠る鳥居の刻印。
刻印はそう呼ばれているらしい。



闇之家初代家元、闇之 亜鶴・ヴィナーに刻まれていたことが確認されている。
闇之の血が流れる者には必ずこの刻印が身体のどこかに刻まれている。
メカニズムは不明。
どこかに闇之の血が一滴でも交ざっていれば、必ず刻印が発現する。
刻まれている場所はそれぞれであり、そこには法則性はないように思われる。


この刻印が身体に二つ以上刻まれているものは、それほど濃く闇之の血を受け継いでいる証明であり次の家元の最有力候補となる。
だが、けして刻印が二つなければ家元を継げないというわけでもなく、また家元の子に必ず刻印が二つ以上刻まれるわけでもないらしい。
事実、闇之の永い歴史の中では家元から見て分家の子供に三つの刻印が刻まれていたこともある。



家元の座の争いは初代以降熾烈なものであり、血で血を洗う事態に至るのもざらであったとのこと。
刻印が二つ以上刻まれた候補者は特に他の候補者に狙われて命を落としている。
また、刻印が二つ以上あっても、それが女性である場合は女性の夫が家元となっており、四十九代まで女性の家元は一人もいない。
そもそも刻印が二つ以上刻まれた女児の産まれた事例がとてつもなく少ない。


現在の家元は四十九代目・闇之 カエン(能力者)。
元陸軍に所属。
現在の将校は何名か闇之 カエン元中尉の元で鍛えられた事がある。

傍若無人且つ冷酷無比な立ち振舞いで政界より『暴君』という二つ名で呼ばれていたが、顔立ちは日本人とは思えないほど美しく容姿も絵画から出てきた王子のようなものであり、一部の婦人達からは『貴公子』ともあだ名された。
妻は同じく政界より『女王蜂』と称されている闇之 如月(旧姓:烏丸 如月、同じく能力者)。
『暴君』の身体には刻印が二つあり、正規の家元とも言える。

しかし、現在消息不明であり、政などは『暴君
』からみて祖父に当たる四十八代目が行っている。
四十八代目は既に高齢なのにくわえ、過去の家元の座を争う際に最有力候補を殺し、反撃を食らって失明をしたらしく、現在は自身の息子、『暴君』の父にサポートを受けている。
妻は他界。
幼女への性的嗜好趣味があり、屋敷内でも煙たがられているらしい。



現在、五十代目の最有力候補は『暴君』の次女、闇之 豹那。
もし彼女がこのまま家元に就任すれば、歴代初の女性の家元となる。
だが彼女もまた両親同様能力者であり、我々にとって目の上のこぶである学園の生徒会長。
更には歴史に埋もれさせたはずの忌むべき存在、破壊獣をその身に宿している。
特に凶暴な破壊獣、『神喰いの獣』を事もあろうか服従させており下手な手だしはできない。

現在学園に送り込んだ軍人曰く、闇之 豹那は家元の継承を頑なに拒否しているともこと。

このまま行けば次の家元は闇之 豹那の養兄、闇之 鷹人になる。
さて、それを四十八代目が許すか否かは不明。



闇之の刻印は家元継承の大事な要素であり、その者が闇之の血を受け継いでいる証明であり、闇之の血に運命を縛り付ける楔である。

軍にも刻印を持つ軍人が一人おり、今後の情報収集はその者に託した。
彼女がいつ己の血筋に気付くかは不明だが、今現在闇之 豹那との仲は犬猿を称するものである。
闇之 豹那を五十代目に就任させることができればあの学園は一気に戦力を失うので、是非彼女には尽力賜りたい。
最悪、闇之 豹那を始末させてもよいだろう】






▲...刻印...不思議な模様の痣。...どこにあるの...?(闇之家に関する資料を片っ端から取り込む)