レナ「...心中お察しはできませんが...。
よろしければ、お話でもいかがです?
口から思いをこぼせば、多少は気分も晴れるでしょう。
言いたくないのであれば、私の独り言だと思って耳を傾けてください。


能力者を皆等しく殺人鬼呼ばわりする人間はごまんといます。
それは、能力者によって被害にあったことがある、もしくはその親族がいるから、ですが...。

好きで傷付けている能力者なんていないと思うんです。

例えば、壊したくもないのに制御できなくて壊してしまう。
能力を使わなくては、自分や周りに危害が及ぶ。

事故や守備で強力な力を使ってしまい、それが批判へと繋がる。

人間は酷く愚かです。
自分と違うだけで君の悪いものでも見るかのような視線を送る。
ありもしない噂をたて、それに翻弄される。
自分一人では怖い、だから大人数でやる。


人間達だって、能力者がいるから潤っていると言うのに。
体液が宝石に変わる能力者が、今どのくらい苦しい思いをしているか、その宝石をつける貴族は知らない。
死ねない能力者は実験台にされて。
強靭な肉体を得る能力者は憎悪な上官の盾にされて。
外見の麗しい能力者は慰め者にされて。
獣人や獣人と人の子は見世物にされて。

そんな中でも、能力者は必死に生きている。
生にしがみついて抗っている。
それすら笑い者にする人間の、なんと汚らわしいことか。


人間の方が、化け物です。

だから、私は、人間なんて嫌いなんです。
特に政府関係の者は。



...って、最後のはどうでも良いことでしたね。
申し訳ありません、忘れてください」



▲私、昨日まで人間だったんです。しかも政府の...

▲私は能力者が嫌いよ...。能力者の中にだって力にものを言わせて人間を見下す奴は居るじゃない。笑いながら人を殺す奴だって居るじゃない...。それが全てじゃないから人間は黙って能力者を受け入れろって?突然家族が殺されてもわざとじゃないから笑って許せと?

▲私は...能力者が怖い、です...目の前で、父と母を殺されたから。能力者が皆そうじゃないって、わかってるけど...




▲泣きながら捨てる