((信じきった訳ではないが、どうにもメス猫の言葉が引っ掛かって仕方がない。
一旦政府に戻り、地下の書庫で番犬や暴君についての文献や参考資料の入ったファイルを読み漁った。


分かったことと言えば、番犬には妻がいたのだが、彼女は詐欺師でありもしない出鱈目で人々からお金を巻き上げていた。
連行の際に酷く抵抗したため最期は武力行使をした結果息絶えたこと。
番犬は元は政府に尽くしていたが、暴君との縁を切って政府の重要機密を漏洩しようとした罪で断頭台に立ったこと。
番犬の機密漏洩の密告者が暴君であること。
二人の子供は、番犬が断頭台に連行されているときに逃げ出したのだが、兄の方が遺体で見つかったこと。
妹は相変わらず行方不明ということだけ。


暴君はもっと多かった。

彼は闇之家の血をより濃く継いだ次期家元と呼ばれる存在だったものの、期待はされていなかった。
横暴な振るまいが多く気性が荒かったのは知っているし、当然のことだろう。

子供は合わせて八人で、一人だけ養子だった。
妻は政界で騒がれていた女王蜂で、二人の血を、そして闇之の血を継いだ八人の子供達は忌み子とまで呼ばれたらしい。

...あれ?
子供達についての部分がない。
わけられてるのか...?








どれだけ探しても資料は見付からなかった。
そもそも、あんな特異な学園にいるのに能力者やあの兄弟についての資料が少なすぎる。

疑問をもつ、ってこの事...?

政府は何で隠しているの?
何か...隠さなくてはならないものがあったの?

それは、何?
まさか、暴君にも番犬にも...虚偽の記載をして事実を揉み消しているの......?

考えてもわかることはなくて、いたずらに時間だけが過ぎた))



▲相当昔の出来事じゃないし、きっと何かあるはずだわ。私みたいな下っ端が入れないような、何処かに...





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