「___気の毒にのぉ、ヒョウよ」



(嘘。


そんなはずない。


なんで、貴方が。




疑問はつもり、表面張力なんてものはなく溢れかえった。
こうなると、逆に無言になってしまう。



漆黒の長髪が風に揺れる。
私の目前で氷を創り続ける女のもとへ、"彼"が歩み寄っていった。

その歩き方の、なんと気品に溢れたことか)




「お主も、さぞ驚いておるじゃろ。
突如能力なぞ使えるようになったからと言って、素直に受け止められるもんなぞ居りはせん。


じゃからのぉ。
一度、使えんくなれば落ち着くよのぉ」




(そう言って、優雅に、彼はメス犬の肩に手をおいた。





その瞬間、部屋を襲っていた猛吹雪はやみ、私を飲み込まんとする氷も動きを止めたのだった)


▲...止まった...(力が抜け、その場に座り込む)...あの、あなたは...?







▲だれか、たすけて