『その服装や言葉遣い、顔立ちで何となく予想はついていたさ。
大方、未来から何らかの理由で来てしまったんだろう。
不思議そうな顔だね?
僕達悪鬼羅刹が蔓延る以上、時をかけるだのなんだのに驚きはしないさ。
君の玉藻前を見る目は、なんというか...。
微笑ましいものだ。
玉藻前ではない、誰かを知っている。
だが時々辛そうな顔をする。
それはきっと、玉藻前の最期って奴も知っているからだろう。
最後に、君は僕を見たときすぐに玉藻前を振り返った。
君の知る玉藻前と僕は、親しい仲なんだろうね。
...兄弟、若しくは親子など』
((...どの時代でも...この人はすごい...))
『...この都も、そう永くは続かないんだろう。
永久に続く都なんてありはしない。
今は兎も角、上皇もいつかは見初める女性を見つけ子をなすだろう。
そして、いつかは死ぬ。
僕達妖も同じだ。
今は我が物顔で暴れる大江の山の鬼どもも。
僕も。
あの子もな。
だからそうまで悲しげな顔はするな。
やまない雨がないのと同じ。
死なない妖もそうはいない。
命は常にひとつだ。
死んだって、君がみたように...きっと、来世というものがあるんだろう...』
▲▲...えぇ、私は未来であの人たちと会えて、一緒にいれて、とても幸せです。もちろん、今あなたたちと会えたことも。(とろけるような笑顔を浮かべる)
▲▲(きっと、ここで嘘をついてもこのヒトにはバレる...)...はい。(しっかりと目を合わせる)