豹羅「...何が、あった、だァ?
テメェ自覚ねぇのか?
今の自分の状態わかってんのか?
...本気でわかんねぇってか?
ふざけんじゃねぇ!!!(ガンッ」
((大きな手に肩を掴まれて、壁に押し付けられた。
ギリギリ締めてくる手に体が少しずつ悲鳴をあげる。
でも、それ以上に豹羅さんが怖かった。
何より恐ろしい仮定が浮かんで、自分すら恐ろしくなった))
豹羅「自分の好きな奴が、別の奴に夢中だったら誰だってイラつくだろうが!!
それが近しい程になっ!」
((ずっと不思議だった。
好きな人がいると言いつつそれを明かさないこの人が。
謎が解けて、恐怖と狂気に体が震える。
この人、は。
この人が、好きなのは))
豹羅「あいつは、あの女はお前を心から愛してんだよ!
なのにお前はそれを蔑ろにするようにあいつから逃げる!!
アイツは!
部屋にお前を閉じ込めるくらいお前を愛してんのによ!!!!」
((この人は、自分の片割れを。
双子の妹を。
豹那さんを、女として愛してしまったんだ))
豹羅「豹那を想うことが許されないのは同じなのに、豹那の愛を受けてるのに、逃げ惑うお前が気に食わねぇ!!
お前を愛するあいつらも気に食わねぇ!!
俺は、今のお前が嫌いだ。
心底な。
今すぐ部屋に戻れ、死にたくねぇんならな」
((自分が歪めてしまった愛情が怖くて。
私は、逃げるように部屋へ戻った))
豹那「月子?
どうしたの?」
■何があったの?