西園寺「僕は自分の目を疑ったよ。
気付いたときには、兄の右腕には深く消えないアザが刻まれていた。

兄と同じここを訪れて納得したよ。


あの衝撃波なら、あんな傷だってつくれる。


同時に拍子抜けした。

どんな極悪非道人かと思えば、君の後ろに隠れてブルブル震えるばかりの子猫じゃないか。
当時はまだ十歳だったかな?
会長という役職の意味すらも理解していないような小娘。

あんな弱いのに、僕の兄に傷を負わせられるのかと思ったよ。



でも、やっぱり彼女は獣だった。


おヒョウさんは、かの暴君と女王蜂の娘。
彼女が秘める残虐性は両親のそれ。





シィちゃんさ、ずっとおヒョウさんのそばに居たんだよね?

おヒョウさんは、僕の兄以外にも傷付けて、命を奪ってるんだよね?
下手したら、月子さんを傷付けそうになったことだってあったんじゃないの?」





東雲「___ない、と言えば嘘になるのぉ」



((西園寺君が、今までずっと豹那ちゃんのそばにいて。
時に厳しく、見えないところで優しさを与えていたのは、全部芝居だったの...?

彼は、そんなにも冷たい人だったの...?))



∨...なら、聞くけど。西園寺くんは、自分の力を簡単にコントロール出来たの?私はコントロール出来なかったよ?そのせいでたくさん人を傷付けたわ。




∨...!!(...西園寺くんの、お兄さんが...?)