((故意的にぶつかられて、廊下に座り込んでしまった。
パシッ、と頭に何かが当たり床に落ちた。
視線をそちらに向ければ、私のノート。
ありもしない事実。
誹謗中傷が書き連なっていて。
コソコソ、クスクス、せせら笑う主犯の女子達の声。
私が、何をしたの?
何も、否定されることはしてないのに____))「何、やってるんですか...!!!」
((パタパタと、いつもより世話しない足音。
小さな体が私の目の前に座り込んで、ノートを覗きこんだ。
幼い彼女の、息を呑む音が聞こえた。
そんな彼女にも、何かが投げられたようだ。
バシッ、と張り付くような音のあとの、ポタポタと滴の垂れる音。
雑巾だった))
「ぅーっわ、マジ会長きったねー!」
「貧相なクソチビにはお似合いですねぇ!!」
「ヒーロー気取って出てきてんじゃねぇよ!
さっさと引っ込めや!」豹那「....ッ!!」
((豹那ちゃんは、自身の肩に引っ掛かる雑巾を無造作に掴むと、握りしめ。
主犯の女子に向けて投げつけた。
まさかやり返されるとは思っていなかったようで、雑巾は女子の顔面に命中。
悲鳴が上がった))
「何すんのよ!!
服が汚れんでしょうが!」
「テメェどうしてくれんだよ!!
先輩だぞこっちは!!」豹那「慎め!!!
先に、手を出したのは、そっちです!
こんなガキみたいな事やっといて、先輩後輩があると思うならただの鶏頭です!
月子先輩が、若旦那や副会長様を盗ったとでも思ってるんですか!?
若旦那達が一人の女性の色仕掛け程度で揺らぐくらい尻軽だと思うんですか!?
勘違いや思い込みだけで、人を貶める今の先輩方は、能力者を虐げる人間と同等だ!!!!」
((ガタガタ。
ガタガタ。
豹那ちゃんが叫び終わっても、彼女の怒りは収まっていないのだろう。
真横にある椅子や机が振動していて、少しでも刺激したら引っくり返りそうだ))∨...豹那ちゃん、いいの。それよりも...制服にシミが出来ちゃうから、着替えに行きましょう?