「ッはぁ!!!」


(___それ、の遠吠えが響き渡った際、この新宿には不文律がある。

遠吠えがなければ安堵する。

遠吠えが近ければ逃げる。

その際、抗争で殺し合っていようが
金を求めて怯える善人をなぶっていようが、なぶられていようが。

手と手を取り合い、とにかく、ひたすら逃げる。


それだけは、それだけは。

絶対的な不文律なのだ。






だが、この目の前の白い獣に臆するものか。
自身もまた、獣と恐れられた不文律の塊。

憎しみに憎しみを塗り重ねて出来上がった歪な肉塊。




___この獣は、私の獲物だ。

私は、今日も。

この獣と刃を交える。


互いの心臓を貫き骨まで食らわば____)


‡ま、さか...!




‡第3節国道蹂躙モンスター