((俊太くんの家に辿り着いて、俊太くんのお母さんのあさぎさんに挨拶をした。
あさぎさんは教育ママの面もあるけど、いつも私達を心配してくれている。
それに綺麗だ。

女でひとつで育ててくれたといっても相違ない。


あさぎさんにただいまと告げ、必要なものをもって二人でガレージにやって来た。
英雄を喚ぶにはお粗末だし無礼極まりない場所だけど、しっかり浄めればなんとかなる。
それに英霊を喚ぶのはあくまで聖杯。
大がかりな儀式はいらない。
最低限、陣と降霊の詠唱さえあればいい))



水前寺「...はい。
これで、魔方陣を」



((生け贄の血液などを使って魔方陣を素早く描く。
これも、本を何度も何度も読んで覚えた。
此処で間違えてしまえば、召喚は実行されない。


...うん。
できた))



水前寺「...完璧だね。
次は触媒だね。
どれになってもいいよう、僕がすべて用意しておいたよ」



((俊太くんのお父さんの遺言を果たすためにも、可能な限り強力なサーヴァントの召喚が必要だ。
問題は誰を呼ぶか。
直前まで英雄をピックアップし、俊太くんと一緒に調べたが決めることができず、召喚の直前まで持ち越された。

強力な英雄を確実に呼ぶためには、触媒は必要不可欠。


とはいえ、何でもいいわけでもない。
過去に触媒として英雄の愛妻の私物を用意したところ、愛妻の寝床を荒らしたとして英雄に殺されたマスターもいた。

俊太くんは知識豊富だからこそ、触媒は彼に任せた))



水前寺「...さぁ、月子さん。
最終決断をして。


誰を、喚ぶ?」






・己が槍で死を迎えたランサー





‡‡始まるんだ、聖杯戦争が