名前:愛染国俊

「来派の二代、通称35字国俊が打った短刀だ!」

これだから愛染明王は最高だぜ!

…………!



……さん!


主さん!!


(体を大きく揺さぶられてはたと目が覚める)
(気が付けば空は橙色に染まり、一日の終わりを告げていた)

(なんてことだ! 寝過ぎてしまった!)

(すぐさま上体を起こすと、縁側で寝ていたせいかやけに体の節々が痛んだ)
(よろよろと力なく立ち上がる私を、国俊がすかさず支えてくれる)


(ありがとう)


(そう口から出るはずだったのに、出てきたのは酷く掠れた空気の音)
(互いに驚いて目を見合わせると、国俊の表情が一転して険しくなった)


風邪っぴき主さん続