名前:愛染国俊

「来派の二代、通称35字国俊が打った短刀だ!」

これだから愛染明王は最高だぜ!

(プレゼントはさっき貰ったはず)
(そう言おうとする前に、国俊が箱を開く)

(……中には小さな指輪が入っていた)


さっきあげたやつも、勿論ちゃんと考えて決めたプレゼントだ。
でも、刀としてじゃなく、一人の男としても主さんにプレゼントを渡したいと思ったんだ。

人間は大切な人を幸せにするために、指輪を贈るんだろ?

だから俺もそれに倣って、今だけは男として主さんに幸せを贈りたい。
受け取って……くれるか?


(国俊とならどんな状況でも幸せになれる)
(国俊が刀でなく、一人の男性としていられる時間がたった数分、数秒だけだとしても、その幸せを感じていたいから……)

(そんな想いを込めて、返事の代わりにそっと左手を差し出す)

(国俊は私の意を汲み取ると、静かに手をとり、指輪を薬指に近づけた)

▽誕生日の終わり3