学術的価値のある怪談も面白いけど…今回は、僕の実体験を話すとしようかな。



数年前の話なんだけど、学校でこっくりさんが流行っていた事があるんだ。

色んな人が遅くまで学校にこっそり残ってこっくりさんをしていたから、保護者から帰りが遅いと連絡が相次いだようで、こっくりさんが学校全体で禁止されたんだよネ。

そこで先生が各クラスの学級委員に、自分のクラスの生徒が全員帰った事を確認してから帰るよう指示したらしいんだけど…まぁその指示をまともに聞く人なんて殆どいなくて、こっくりさんをやる人はその後も絶えなかったんだ。

でも、一人とても真面目な学級委員さんがいてネ…僕のクラスの人だったんだけど、野球部のその人は持ち前の大きな声で、毎日居残ろうとする人をきっちり帰らせていたんだ。
僕はちゃんとした時間に学校を出るようにしていたから、特に不都合は無かったけどネ。
当然僕のクラスでこっくりさんをやる人は殆どいなくなったヨ。

でも、ある日を境にしてその人はぱったり学校にこなくなってしまったんだ。
先生曰く、行方不明になってしまったらしくてネ…教室中が大騒ぎになったヨ。
僕も気になって色んなクラスメイトに話を聞いたんだ。そしたら、中々興味深い話が聞けたんだよネ。

その人が消える前日、僕のクラスの人が例の学級委員さんの目を盗んでこっくりさんをやっていて、その現場を学級委員さんに見られてしまったらしいんだ。
当然その人は直ちにやめて早く帰るよう言われたけど、それに応じず儀式を続行しようとして…我慢ならなくなった学級委員さんは、それを無理やりやめさせたんだって。
こっくりさんは中断すると呪われると言われているのに、当の本人達はその後何も起こらなかったらしいんだ。
それで、その呪いが中断させた学級委員さんに降りかかったんじゃ無いか…って。

ここまででも中々怖い話ではあるでしョ?
…でも、このお話にはまだ続きがあるんだ。

先生達はこっくりさんのせいにする訳にもいかないから、不審者対策の為に暫く登校も下校も集団でするよう指示したんだけど、僕の近所のクラスメイトが毎日集団から外れて森の方へ歩いて行ってたんだ。
気になって僕もついて行ったんだけど、どうやらいなくなった学級委員さんを必死で探しているようだったんだヨ。
思い返せば二人はよく話していたから、きっと仲のいい友達だったんだろうネ。

辺りが相当暗くなったのにさらに奥へ、しかも変な方向に行こうとしていたから、声をかけようとしたら…突然、木の影からぼんやりと人影が立ち現れたんだ。
その人はもう、酷く驚いたようで…僕の存在にも気づかず、悲鳴をあげながら来た道を駆けて行ったヨ。

その人影は僕を一瞥して消えたんだ。
素晴らしいものが見れた事が嬉しくて、その人を追いかけるのも忘れて僕は家路についたヨ。
きっと、人影は学級委員さんだったんだろうネ…ククク。


(解説の様なものです。)

怖い話聞かせて