塩?
…ミョウジさんって塩が好きだネ。

もちろんいいヨ。
それじゃァ…どうして日本では除霊に塩を使うのか、という話をしようか。

まず、塩による浄化の起源は神道にあるんだ。仏教ではどちらかと言うと炎による浄化が重視されているからネ。

砂漠地帯のように飢餓に苦しむ事も少なく、海に囲まれているせいで異民族との抗争も少ない古代の日本人が1番恐れていたもの。それは病気だったんだ。どこからやってくるものなのかもわからなかったからネ。
だから古代の日本人の1番の願いは健康だった。そしてそれを叶えてくれるもの…つまり病気の予防が宗教になったものが神道なのサ。…まァ、他にも神道のルーツはあるんだけどネ。
どこの宗教でも清潔にすることは薦められているけど、神道は飛び抜けて身も心も清潔である事を大切にしているんだヨ。

石鹸なんかがなかった時代の日本人は、塩や海水を使う事で傷を消毒したり、食べ物の腐敗を防いだりしていたんだ。だから、塩には悪いものを祓い清める聖なる力が宿っていると考えるようになったんだネ。
そこから海の神スサノオが、穢れに満ちた根の国に下り母イザナミノミコトと再会し、根の国を祓い清め統治した、という神話が生まれたんだ。それで、塩は悪霊を払い死者の魂を統べるスサノオの力の象徴になったんだヨ。
当時、病気の原因は汚い所に集まる悪霊であると考えられていた。実際、汚い所は菌が繁殖しやすいからネ。だから悪霊は塩によって祓えるものだと考えられていたんだ。それが現代まで残り続けたんだヨ。


…こんなところかな。
ミョウジさんの知的好奇心は満たせたかな?

ありがとう!とっても面白かったよ。

塩にまつわる講義が聞きたい!