(甘ったるくて懐かしい、リンゴの味がした。)


(…私はこの味を知っている。)


そう、それでいいのヨ。

貴女達は元の世界へ帰るべきだもの。


(燃えるような夕陽、静かな教室、烏の声。)


(ノスタルジックな幻想に目が眩んだ。)


大丈夫ヨ。貴女には是清が、是清には貴女がついているわ。

寂しいけれど、きっとこれでお別れネ。
もう終わりにしましょう。



(お姉さんの声がどんどん遠くなってゆく。それとともに、目の前が光で満ちてゆく。)


(私はあまりの眩さに目を閉じた。)


今まで本当にありがとう。

…大好きよ、ミョウジさん…








∀林檎を口にした。