…それが、あの頃の俺には一番必要だった、と思う。

今自分がどこに立ってるのか、◯◯がいたから忘れなかった。強くなりてぇ理由が増えた。…◯◯が笑ってられるように、◯◯が泣かねぇように、
もう、何も失わねぇように、

(焦凍君の指が、目元を撫でる。いつの間にか滲んでいた涙を、優しい指が拭ってくれた)

…だから、それぐらいとか言うな。

だって、それぐらいしか出来なかったから