(目の前の男は、荼毘と言った。
細身の体に全身の肌が金具の様な物で継ぎ接ぎされている。恐らく個性は炎…青い、炎。焦凍君と一緒で、手から個性を発現していたように見えた。

私が話しかける時以外、こちらに何かアクションを起こす様子もなく、少し離れた場所から私をじっと見ている。私が逃げないように見張っている、…にしては、緊張感がない。私の個性じゃこの状況を打破できないと知っている?雄英生は体育祭で個性がメディアによって世間に放送されている。私のことを知っていても不思議ではない。

……でも、目的が分からない。私は爆豪君のように注目されることはなかったハズ。あの合宿所には、それこそ焦凍君や緑谷君、他にも沢山強力な個性を持つ人が居た。
なのに、連れてこられたのが爆豪君と私だけ?他の人も違う場所で監禁されている?


……窓もない、外部の音も拾うことがここではできない。状況が分からない…)


●観察してみる