名前:フロイド・リーチ

ポイントカード128枚目

ラブ…

(数ヶ月に一度ある、ラウンジの一般開放デーの日。
賄い食べにおいで、と誘われていた私は、閉店間際のモストロラウンジのカウンターで閉店時間まで待っていた。

ラストオーダーも終わり、あとは数組のお客さんが帰ったら閉店……という時。ひとりで来ていた女性客がフロイド先輩を呼び止めた。)

(人も少なく静かな店内。耳を澄まさなくても、ぼんやりと話し声が聞こえてくる。
「一般開放の日は必ずこの店に、貴方に会いに来ていて」「はじめて来た日、貴方に一目惚れしたんです」「連絡先だけ交換できませんか」「友達からでいいんです」等聞こえてきてしまい、思わずちらりと横目で二人の姿を見た。)

(綺麗なワンピースに、艶々の長い髪。横顔でも分かる美人なひと。フロイド先輩より歳上に見える。歳上の美人なお姉様…フロイド先輩すごいな…。
何て返事するのか、聞いてしまうのは流石にどうかとも思ったけど、やっぱり気になって、行方を見守る。

フロイド先輩は彼女の耳元に顔を寄せて、何かをぽつりと囁いたように見えた。
そして、連絡先が書かれているカードを手で押し返す……けれど、彼女は負けじと先輩の手のひらにカードを押し付け、足早に店を出て行った……)