(フロイド先輩と廊下を歩いていると、前から来た顔見知りのモブ先輩に、「あ、小エビちゃんじゃん(笑)」と声を掛けられた。こんちは〜と頭を下げて手を振る。またね〜と通り過ぎて行く先輩の背中を、フロイド先輩が「おい」と物凄く低い声で呼び止めた。)
………今なんつった?
今、なんつった、って聞いてんだけど。
(突然の、フロイド先輩の怒りmaxの声に静まり返る廊下。完全にキレてるフロイド先輩の腕を慌てて掴む。
このまま放っておいたら確実に相手の先輩へ殴り掛かりそうな勢いだったからだ。)
(どうして急に怒り出したのか分からないまま、必死に引き止める私をちらりと見て、チ、と舌打ちをする。)
…あのさあ。小エビちゃんって呼んでいいのはオレだけだから。
二度目はねえぞ。次また同じように呼んだら…分かってんだろーな…
(は、はい!!!と返事をして逃げるように去っていく相手の背中を見送った後、私の事をじとりと睨んだ。)
…言っとくけど小エビちゃんにも怒ってっからね、オレ。
何呑気に返事してんの?小エビはオレの小エビだろーが。他のやつに小エビちゃんって呼ばれても返事しちゃダメ。
は〜ぁ……。…”小エビチャン”、呼びやすいあだ名だあ〜とか思ってんのかねえ。
まじうぜ〜ッ。え、あいつ以外にああやって呼んでくるやついないよねえ?…やっぱ見せしめも兼ねて一回ボコッといた方がいい気がしてきたぁ。後でやってこよ…