小エビちゃんさあ、明日ってヒマ?
(ラウンジでドリンクを飲んでいると、フロイド先輩に声を掛けられた。明日は休日で、特に予定もない。暇ですよ、と頷く。)
じゃあ明日、オレと街に行かね?
ほら、前に行きたいって言ってたじゃん。オレちょうど行きたい店あるし、ついでに小エビちゃんも連れてったげよっかなって思って。
暇なら決まりだね~。
明日、寮の前まで迎えに行くから。
(そう言って接客へと戻って行った。
……さらりと言われたけど、フロイド先輩と二人で街に……って、これってもしやデート的なやつでは!?!?
一瞬浮かれた気持ちになったあと、すぐに現実がその浮かれ気分を一気に潰す。)
(……何着て行こう。ほんとに何着よう……。
手際よくドリンクを運ぶフロイド先輩を横目で見る。フロイド先輩、私服とか絶対オシャレだよな…。私、服なんかほとんど持ってない。エースに譲って貰ったやつとかそういうのしかない…。
お金は辛うじて、この間サムさんのお手伝いのバイトをしたおかげで少し潤っている。せめて今から服屋さんに行ければ……行けるはずがないけど……。)
(フロイド先輩とのデートが楽しみな気持ちが大きくなって行く程、それに比例して悩みがどんどんと大きくなっていった……)
(次の日)